大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

高松高等裁判所 昭和25年(う)371号 判決

刑法第二百五十三条の業務上横領罪の「業務上」とは「人が社会的地位において継続的に従事する仕事上」と言うことであつて、必ずしも法令に根拠を有する場合に限らず、契約上又は社会慣習上その業務を継続的に繰返して執行している者がその業務上占有している金品を横領した場合にも業務上横領罪を構成する。原判決挙示の証拠によれば、各町村農地委員会はその打合せにより各町村の了解の下に町村が取立てた解放農地の売渡代金を町村収入役より引渡しを受けて、これを日本銀行に送付して政府に納める仕事を、町村長名儀を以つて代行しており、被告人は仁尾町農地委員会の嘱託としてその業務に従事中、仁尾町収入役より受取り占有中の右農地売渡代金で政府に納入すべき金員及び小切手を原判示のように擅に処分横領した事実を認めることができる。仮に仁尾町収入役が被告人の判示処分行為を承認していたとしても被告人の業務上横領罪の成立を妨げるものではない。論旨は理由がない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!